かんろ（甘露）のあめ

　“かんろのあめ”って聞いたことありますか？
良く住職さんから、お聞きしますよね。そう、お釈迦様がお生まれになった時
ルンビニーの園に降り注いだといわれる雨のことです。
私は小さい頃“かんろのあめ”と聞くと甘い飴玉のことを思い出していたんです。
とっても身体が疲れたときや、歌をいっぱい歌った後などに甘い“あめ玉”を口に
含み、その甘さがふわっと広がるとほっとして、とっても嬉しかったものです。
今でもそうです。
甘露というのは、「天人の飲む飲み物で、蜜のように甘く、飲むと不老不死になる」
と書いてありました。どうしてお釈迦様がお生まれになったとき、
空から“かんろのあめ”が降ったんでしょう？

別の本にはこう書いてありました。
「お釈迦様がお生まれになったとき、天人が大変喜び、
“かんろのあめ”を降らせた」と。
お釈迦様は、私たちに何を教えてくださったのかというと、「みんな同じ“いのち”
をいただいているんだよ。身分なんて関係ないんだよ。大切に生きようね。」という
ことでしょう。飲むと不老不死になるという“かんろのあめ”が降ったということは、
その教えを伝えて下さるすばらしい方が生まれたことを喜び、そして決してたえる
ことなくその教えが続くことを願った天人たちの声だったんだと私は思うんです。

ですから、「花まつり」で私たちは
「大切な“いのち”を教えてくださってありがとうございます。
                          わたしたちも大切に伝えていきますね。」
というおもいでお釈迦様に甘茶（かんろのあめにかえて）をかけるのだと思うんです。
大切に伝えるにはどうするのかな？というと、
お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんを見習って、兄弟姉妹、そして友達と
一緒に手を合わせ歩むことでしょう。

時には、甘いあめ玉を口にふくみ“かんろのあめ”をおもいだしながら・・・。

仏教子供新聞　2004.2     沖井智子