おばあちゃん！きらい！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　沖井　　智子
　「おばあちゃんなんて、大きらい！どこかへいっちゃえ！」
　おやおや、どこから聞こえてくるのかな？本当にいなくなっちゃったら寂しく
なあい？おばあちゃんは、どこへ行けばいいのかな？
　そういってる私も、小さい頃はよくおばあちゃんと口げんかをしたものです。
なんであんなにけんかしたんだろう？考えてみました。今になって思うのですが、
きっと私は、自分は動かないのに口うるさく「ああしなさい、こうしなさい。
それはいけない、あれはいけない。」というおばあちゃんがうるさくて、そこに
いることがゆるせなかったんですね。皆さんも思い当たりませんか？
　でもね、いつか私も年をとって思うように動けなくなるんですよね。頭には、
今までの経験や体験で得た知識がたくさんあって、それを伝えたいし、若い人
たちに少しでも役立ててほしいと思っているんですよね。せっかくそう思って
言ってくれるのに、ついつい私たちは「ご隠居さんは、だまってて！」といい
たくなっちゃう。
　私たちは、大事なことを見落としてしまっているのかもしれませんね。
何だと思う？そう！私たちは必ず年を取っていくということ。
おばあちゃんたちにも若いときがあって、今の私たちよりたくさんの経験をしてる
ってこと。そして、そういう私たちが今一緒に生きているっていう事ですよね。
　阿弥陀様は「いのち」をもつものすべてを、同じように見てつつんで下さっています。
そのなかで、私たちは皆おなじ「いのち」をもち、いきているんです。
お互いに認め合って協力しあって仲良く暮らしていくことが大事ですよね。
それが、いつも見ていてくださる阿弥陀様への「ありがとう」の思いを伝える方法かな
とおもいます。
　人はいつも自分が一番とおもってしまいます。相手を認めることはとってもむづか
しいし、勇気がいることかもしれません。でも、いつも阿弥陀様が支えてくださって
いますよ。わすれないでね。

仏教子供新聞　2004.9