ｿｳﾘﾝﾒｰﾙ　No.15
　会津はこのところよくＳＬが走っています。昔は汽車といっていましたけど。
線路のそばのおばのお寺へ遊びに行くと、縁側がすすで真っ黒くなって大変で
した。いつのまにか、不経済・沿線に迷惑などと電車やディーゼルに変わり、
公園や小学校にわずかに残され、老残をさらしているといった感じでした。と
ころがここ数年のブームで、大勢の人を乗せ走っています。運良く、解体され
ず、さびないよう面倒見てもらい、再度走れるように整備できる技術が残って
いたことも幸運でした。
　なんだか人間のことのようです。戦後復興の労働力として、精一杯働いてい
たはずなのに、新しいやり方についていけないものはだめだと、職を失い、ほ
そぼそと生きてきた。しかし、高度成長を支えてきた技術が見直され、マスコ
ミに担ぎ出され、カメラの前で、晴れ舞台に笑って見せているというところで
すか。
　はたして、役に立たないと現役をおろされた状態は、だめなことなのでしょ
うか。人が生きることはそんなに単純なことではないものです。せっかく自分
を磨く機会を得、見つめなおす時間をいただいたのです。有効に使わなくては。
　今東京中心に日本の社会は動いているようです。でも、毎年のようにおきる
水不足、交通渋滞、環境の悪化など、東京の人口の容量は限界に近づいている
ようです。もうじき、自然豊かな田舎の出番になるかもしれません。悪い環境
から逃げ出した人たちを受け入れてあげられるよう、私たちの優れているとこ
ろを見つけておきませんか。（玲）