ﾒｰﾙ　No.16　　　　2001.10.21
会津の秋は次第に盛りです。柿やリンゴがたわわに実り、色づいてきました。
山のほうからきのこもいただいたのですが、写真にとるよりなべに入るのがさ
きなので。
　なんだか世の中は狂牛病で牛が食べられないようですね。心配しなければい
けないほど牛を食べさせていただいてないような気がしますけど。毎日牛肉を
食べていても、交通事故で命を落とすほうが確率はたかいと思うのです。けれ
ど、専門家のご意見を伺いたいものです。
　私の若い頃は、豚肉はよく火を通さねばだめだとか、川魚は生では食べては
いけないとかいろいろ食べ物についてのルールがありました。ふぐにもいろい
ろ決まりがあったようですけど、最初っから食べるものじゃあないと決められ
てましたので（親父が昔自分で料理して中毒したもので）覚えていません。な
にをどう食べても安全だと思うようになったのはなぜなんでしょう。
会津の秋はきのこの季節、皆さんよく山に入ってきのこ狩りを楽しんでいます
が、どれが食べられるきのこか注意してますし、中毒を起こしても自分のせい
とあきらめています。自然のものは危ないかもしれない、それが当然のことだ
と思います。お店に並んでいるものは安全であると思うのも当たり前かもしれ
ません。でもそれが１００％安全なものしか流通させられないことになり、消
費期限を厳格に守り、一日過ぎても捨ててしまう。まだまだ食べられるのに、
わずかな危険があるかもしれないから、おおくの命をむだにしているのではな
いでしょうか。そしてそのコストはみんなで負担しているのです。
　諸行無常という言葉があります。一切のもの（現象）は常に変化し変わらな
いものはないということなのです。食べ物にしてもそうです、自然のものを工
業製品のように扱うことに無理があるのではないでしょうか。形のよしあし、
虫食いの有無で購買意欲が段違いとなると、多少危険とは思っても農薬などを
使ってしまう時代なんですね。野菜にしても、米にしても自然のわずかな変化
で、出来不出来はありますし、肥料や農薬でどのように変化していくのか、本
当にわかるのでしょうか。とりあえず、はっきりと因果関係が見えないものに
は目をつぶり、わかってしまえば大騒ぎをする、車のリコールとはちょっと次
元が違うような気がします。
　お釈迦様のお亡くなりになった原因は、食べ物にあたったからだといわれて
います。８０歳の高齢で、ちょっと危ないのではないかとお弟子さんが食べる
のを止めてのですが、施していただいたものを無駄には出来ないと食べてしま
ったそうです。それでとうとう中毒をおこし、やがて衰弱してお亡くなりにな
ったそうです。自らのいのちをかけて、施していただいた命を無駄に出来ない
ことをおしえてくださったのですね。
　どこかの大臣が、貝割れ大根のときのように、安全ですと牛肉を食べて見せ
たそうですね。和牛の霜降りをただで食べられるのでしたら私だって食べます
がね。その肉は誰が買ってきたものなんですか。まさか税金だとは思いませんが。