ソウリンメールNo.26

浄土への道は　浄土から  開かれたものである
    法語カレンダー九月のことば    金子大栄

▼のうせんかずらの苗をもらってきました。オレンジの花が暑い日差しに負け
ないで咲きこぼれている姿が、夏の花としてとても好きなのです。咲き終えて
地面に散っている姿も威勢良く、夏が固まって転がっているようです。
▼この夏息子が得度習礼を終え、お坊さんになって、帰って来ました。入所か
ら出てくるまでの十一日間連絡は取れません、途中で体調を崩すとそこで終わ
りです。果たして無事に出てこられるか、心配な毎日でした。でも意外に元気、
車の免許の卒業検定を受けて帰るから、と３日遅れで帰ってきました。
▼二十一年前の自分を振り返ると、今は亡き父の思いはいかがであったろうか
と考えます。建築会社に就職したものの、のうせんかずらの咲く頃に会社をや
め突然帰ってきて、三十才にもなって坊主（この言い方は嫌いな方もおります
が、私は法蔵坊という寺に生まれましたので、お坊さんを表すこの言葉は好き
です）になろうとしている息子、さぞや心配であったでしょう。
▼しかし、寺に生まれたものとして、坊主になるということは、教えずとも知
らず知らずに阿弥陀さまの教えが身についていたということで、やっと道が見
えたか、目覚めてくれたかということでもあったかと思います。
▼軍隊で中国にわたり鉄砲は撃ったことはなかったようですが終戦後たいへん
な苦労をして帰ってきた父、病気を抱えながらも勉強する息子、ぜんぜん違う
仕事についていた私、それぞれに迷いながら進んでいるようですが、みな阿弥
陀さまのお手回し、しっかり人間を勉強してきたか、それを役立てる日が来た
ぞと励ましてくださったのでしょう。
▼のうせんかずらが大きく育って、夏を楽しませてくれる頃には、息子も元気
にお盆のお参りに汗を流していることでしょう。それまでどんな勉強をしてく
るかを楽しみに、がんばっていきましょう。

おまけがひとつ
先日の熊の話ですが、おりを仕掛けて捕まえたそうです。そのときの写真をも
らいました。でも、また出たのでまた捕まえたそうですけどまだでるとがっか
りしていました。