ソウリンメールNo.28　　　　　　2003.12.06

　　　　　討論？　闘論？
　日本の議会は、筋書きができていて、質問は本質には触れないようにし、譲
るところも決まっていて一応の質問が終われば、予定通り法案は成立している
といわれることがあります。官僚の事前の根回し・談合がすべてを動かしてい
るのだそうです。
　こんなことではいかんと、これからはディベードだということを聞きました。
時々テレビでもやっているようです。ディベートは、議題に対して肯定･否定ラ
ンダムに分かれ、議論の優劣を競う論理ゲームだそうです。議論の練習だそう
ですが、自分の主張が如何にすぐれているかをしめし、相手の主張がいかに劣
っているかを観客に納得させて、高い得点を取ったほうが勝つのです。いかに
も西欧的なゲームですが、ゲームでなく実際の場合は相手の主張に納得せず、
自分の主張が受け入れられないとき、しばしば暴力に訴えることがあります。
個人ではけんか、団体ではテロ、国同士では戦争といっているようですが、暴
力には違いありません。口げんかに負ければ手が出るのは昔からよくあったこ
とです。
　イラク戦争は終わったのでしょうか？テロは許さないと、アメリカの正義を
振りかざして、アフガニスタンに続き、イラクに攻め込んだアメリカ軍でした
が、フセイン元大統領は行方不明のまま、各地の国連や外国の駐留軍に連日の
ようにテロがあります。フセインによる圧政・抑圧からの開放を目指して行な
った戦争のはずなのですが、フセインから外国軍に替わっただけとイラクの人
々は感じているようです。アメ
リカの理想とする自由は、イラクの人には単なる異文化の押し付けとしか思わ
れていないようです。イスラムの人が豚を食べないのも、日本人が鯨を食べる
のも、それぞれの歴史・宗教の背景があってのこと、相手の文化・習慣を大切
にしないなら、相手を理解しているとは思われないでしょう。
　昔会津には徳一大師というすぐれた学僧がいて、今までの仏教の立場から天
台宗の開祖伝教大師最澄と真言宗の開祖弘法大師空海を相手に、論義（真理を
明らかにして相手にそれを論理的に了解させ教え導くこと）を行ないました。
はるかな京都と会津を手紙が往復し、そのおかげで天台宗・真言宗の教えが明
確になったのです。
　言い合いでも殴りあいにしても、勝ち負けより相手の言いたいことを理解し、
自分の主張を理解してもらい、共に生きる道を探ることこそが大切なことだと
思いますが、いかがでしょうか。

12月8日の成道会に配るチラシの原稿です。会津若松の神明通りで夕方4時頃募
金のお願いとともに配っています。　　　毎年雪が舞って寒いで