ｿｳﾘﾝﾒｰﾙ　No.58
「にんにく精進」

お坊さん、こんどお寺のお料理教えてよ。
なんじゃ、どんな料理を習いたいのじゃな。
にんにく使った精進料理があるんだってね、それよ。
うん？そんな料理は知らんがな。
あら、うちのお寺のお坊さんがいってたよ、「にんにく精進」って。健康によさそうじゃない、しらないの。
なんじゃ、お坊さんの話をそこしか聞いてなかったのか。他にもいってたろう。
だって、足はしびれるし、寒いし、いってることはわからないしさ。精進料理だと思ったら、どんな味だろうって想像してさ。
それはな、料理じゃないよ。にんにくは「忍辱」と書いて「耐え忍ぶこと」。精進は「物事に精魂こめてひたすら進むこと」どちらも仏教の修行じゃよ。
なんだ、食べ物じゃないんだつまらないの。
いやいや大事なことなのじゃよ。学校にいってごらん、子供たちは授業中隣と話したり、教室から出て行ったりで、ちっとも講義を聞こうとせん。
そりゃ、先生の話がおもしろくないからよ。
目先の楽しさばかり求めているから、だめなのじゃ。そこを耐えて聞き続けていくと次第に面白さがわかってくる。そこが「にんにく」なのじゃ。
うーん、たしかに子供たちは辛抱が足りないわね。ちゃんと先生の話を聞かないから勉強がわからないのよね。
子供たちばかりではないぞ。お前さんもじゃな。
私はもう先生の話聞くことないもの
お姑さんの話は聞いてやらないのかい。
何年聞いても、面白くはならないわよ。おんなし話だもの。「あんたもしってるでしょう」って言うからよく聞いたら、自分の子供のころのことよ、知ってる訳ないじゃないの。
じゃから、にんにくさ。辛抱して聞いてやることじゃな。ほかにも耐え忍ぶこともあるじゃろう。
そりゃあるわよ、うちの旦那の安月給を耐え忍んでいるわよ。
こないだ見ていたら、安かったからっていっぱい買い物をして帰ってきたろう。
デパートで新春セールをしてたんだもの。
本当に必要なものだったのかい。安かったからっていらないものを買っていなかったかな。
ふふ、ちょっと買いすぎたかな。
そこじゃ、買いたい気持ちをちょっとがまんすること。それも「にんにく」じゃよ。
我慢ばっかりしてたらストレスたまるわよ。
それがいつの間にか、その生活が当たり前になってストレスを感じなくなるのじゃな。
ほんとかしら。
暇じゃからといってテレビばっかり見ているから、宣伝に踊らされるのさ。表に出て道路の雪かきでもしたらどうじゃ。
疲れるじゃないの。
程よい運動で、健康にいいぞ。ダイエットになるかもな。
お腹がすいてかえって食べるわよ。
そこを我慢するのも「にんにく」じゃ。
お坊さんも一緒にやろうよ。
いやわしはもう疲れた。にんにく料理でも研究しよう。