ｿｳﾘﾝﾒｰﾙ　No.61 年末の大雪115pだったそうです。30年ぶりの大雪だそうで、いろいろなことが起こりました。 市内は雪を持っていくところがないので、除雪車はとりあえず雪を踏みつけ固めて均しておくだけです。雪が止み皆さん車で出かけるようになると、道の雪が車に掘られてわだちができます。わだちにタイヤがはまって動けなくなる車が出てくると、渋滞するのです。 私たちも車で出かけたのですが、一方通行の道に前の車に続きはいると前の車が止まりました。車の前はずうっと何もありません。何かなと思っているうち、前の車を運転していた女性が下りてきました。「前のほうで車が埋まって動かないみたいだから、バックしてください」そういわれても後ろにも車が続いているのでさがれません。彼女は後ろの車に次々に話をしていきました。後ろの車の男性は「前に行って車を押して動かせばいいのに」といいました。数台後ろの車の女性は「私の家はすぐそこなんだからバックしないわ、前に行ってよ」と抗議し、前に進むことになりました。みんなの車が動けなくなっている車に近づき、車を押そうと皆降りてきました。ところが一番前の車の女性はわきの駐車場に入れてでてきません。数人で動けなくなった車を前後にゆすってわだちから外れて雪の中にタイヤを埋め動けなくなった車を出しました。後は各自車に戻って出発、順調に車は動き出しました。 西会津の国道で350台の車が動けなくなったというニュースが流れ、会津は大雪で大変だといわれました。でも、その時西会津から若松までタクシーで来た人がいます。国道は車が動かないので、川向うの道を通ってきたそうです。田舎のほうでは、除雪車は雪を道路のわきに落としていきますので、車などの邪魔物がなければどんどん道路の雪はなくなります。ですから車が動けなることはあまりありません。では、なぜ国道は車が動けなくなったのでしょうか。実はあの国道は勾配がきついしカーブも多く、しかも凍るので高速道路ができるまでは冬の難所で有名でした。高速道路は勾配が緩やかでトンネルも多く比較的雪の害のない道です。その道が雪のため通行止めとなったので車が国道に迂回しました。高速道路が通れなくなるほどの雪で、より運転の難しい道が経験の少ない人が通れる道ではありません。いったん止まってしまったら、登れる道ではありません。乗用車ならみんなで押せば動くことも可能ですが、トラックが止まっては動かしようがありません。それがじゃまで除雪車が作業することができず、とうとう雪にすべてが埋まってしまったのです。 雪があまり積もらないうちに皆さん協力して車を動かして、引き返せばこんなことにはならなかったんじゃないかなと思います。車から降りずに、そのまま様子を見てたり、そのうち誰かが何とかしてくれるだろうといったあなた任せが、このような事態を招くのではないでしょうか。 「他力本願ではだめだ」という言い方をする人がいますが、「他力本願」は阿弥陀さまの生きとし生けるものを救わずにはおれないという強い願いのはたらきのことです。自分のせい一杯を尽くして、あとは仏さまにお任せしようということではないでしょうか。まずは車から降りるところから始めましょう。