ソウリンメールNo.9
十二月八日は何の日？
　十二月八日を、仏教では、お釈迦さまがお悟りを開かれた日として、「成道
会」（じょうどうえ）と呼んでいます。お釈迦さまは、六年間の苦行の末、心
身ともに疲れきって、尼蓮禅河（にれんぜんが）の畔にたどりつかれ沐浴され
ます。そこで、村娘スジャータから乳がゆの供養を受けられました。精神的に
も、肉体的も活力を取り戻されたお釈迦さまは、意を決し、ブダガヤの菩提樹
の下で瞑想に入られたと言われています。そして十二月八日の暁、お悟りの境
地に達せられたのだということです。そのお悟りを「縁起」といいます。
「縁起」はものごとには原因があり、さまざまな縁によって、結果が生じると
いうことなのです。起きて欲しくないこと、出来れば避けて通りたいことを忌
み嫌い「まあっ縁起でもない」と縁起をかつぎ「縁起が良い・悪い」といって
いますが、自分のやったことは自分で受けとめるしかないのです。私たちは、
いやなことを避けるあまり、因果の道理を全く無視した旧来の伝承・因習・禁
忌（タブー）といったものに、がんじがらめに縛られ、自分の判断で生きるこ
とができないでいるのではないかと思います。
お釈迦さまの教えてくださった修行の法のひとつに「布施」の行があります。
これは、自分のものを人に与えることで、そのものに対するとらわれの心をと
りのぞこうという行です。信者が僧に食物や、財宝を施すことを財施、僧が信
者に法を説くことを法施といいます。また、人にあたたかいまなざしで、なご
やかな顔で、やさしい言葉で、慈しみ深い心で、せいいっぱいの行為で接する、
席をゆずってあげる、気持ちよく家に迎えてあげること、これも無財の七施と
いう布施です。
みなさんもひとつやってみませんか。
　これは、１２月８日午後３時より会津若松市の神明通りで仏教会の若手（ま
ほろば会）による募金運動のためのチラシの原稿です。
若松はいよいよ冬です。山は白く、風は冷たく、去年の募金も寒かったですね。
でも人通りがないのが一番応えます。托鉢をしていた禅宗のお坊さんはかっこ
よかったですけど。私たちは装束も違いますからさえません。やはり鍛えてい
る人は違いますね。