犬は大嫌い？         (智) No.105 2001/03/10

＜＜「生きもの」　すべて　平等である＞＞　竹内紹晃（兵庫県）

▼昔々その昔、私がまだ学生だった頃の事です。一本の杭に犬がつながれてい
ました。その犬はくいのまわりをグルグルとまわったものですから、自分で自
分の首をしめあげてしまって苦しそうにないています。　その頃の私は大の犬
ぎらい。でも犬が心配でその場を離れることができません。「苦しそう。可愛
そう。死んじゃったらどうしよう。」という私に、友人は「自分のきらいなも
のだったらどうでもいいと思うけどなあ」というのです。
　私はびっくりしてしまいました。犬の命は私たちの命とちがうのでしょうか？
そんな事はないはずですね。どんなに小さな命でもいただいた命なのです。人
間だから、犬だから、・・・と違うことはないはずなのです。いろんなご縁に
よって今の私は存在しているのです。アニマルセラピーなど良い例です。動物
の存在が悩める私たちをなぐさめてくれるのです。私たちは皆ささえあって今
の命を育んでいるのです。
　私を取り巻いているいろいろなご縁を一つ一つとりはずしていった時、私の
存在は残るのでしょうか？私の存在はなんなんでしょうか？考えていくと私の
存在は本当に偶然にいただいたものだと言えるでしょう。そう考えた時、人間
でも犬でも、雑草でもまったく同じ命をいただいたといえるのです。命の重さ
は平等なのです。
　大切な命をいただいて私の命はつながっているんです。私と平等であるはず
の命をいただいているのです。だから私たちは自分とむきあって一生懸命生き
ていくことが大切なんだろうと思います。そして共に生きる喜びを両手にのせ
てお念仏させていただくのです