畑を耕してみたら     (玲) No.106 2001/07/20

＜＜悲しみの深さのなかに真のよろこびがある＞＞　瓜生津隆真（滋賀県）

▼冬は大雪でしたが、春になるとまったく雨が降らず、草木にはかわいそうで
した。でも一転梅雨に入ると大雨で、いっせいに雑草が生えそろい、たくまし
さを見せています。肝心の花はどこに言ったやら、土に栄養がないからだめだ
と植木屋さんが申しておりました。
　小さい頃は両親が畑に出て野菜を作っているのをみていましたので、耕して、
雑草を抜いて、肥料をやって、ふわふわのやわらかい土に種をまくといろんな
野菜ができました。でも、耕しているとミミズとか、何かの幼虫がひょっこり
顔を出します。これらがどうもにがてで、飛んで逃げてよく笑われたものです。
　このごろは毎日殺人のニュースがあります。親を、子供を、通りすがりの人
を殺してしまう。精神に異常をきたしているのか、でなければ冷酷な殺人者な
のか。こんな人が町のどこかに潜んでいるのは大変なことだ、精神異常だった
ら隔離してしまえ。という声もよく耳にします。でも、ストーカーや痴漢など
の被害もよく耳にします。ストーカーが切りつけたこともあります。どこまで
が正常なのかどうきめるのでしょうか。
　私達の社会も、庭の畑と同じではないでしょうか。今カチカチの土になって
はいませんか。わずかな違いも受け入れることのできない社会になってはいま
せんか。雑草しか育たない土では、なげいても仕方ありません。鎌で雑草を刈
ろうとしないで、鍬で土を耕しませんか。ちゃんと耕してふわふわの土にして、
きれいな花を咲かしませんか。