おやすみなさい　　　　（玲）No.108 2002/03/10

＜＜他力の生活は最後まで努力せずにはおれない生活なのです＞＞

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宮城　��（京都府）

▼佐々木俊朗先生が二月九日に往生されました。一月六日に本堂でお話しされ
て一ヶ月、まだお元気で居られると思っていた矢先の訃報でした。
　不思議なご縁です。副住職智子が布教使補研修に参加した折、先生の奥さん
と一緒だったのです。昨年夏「御堂さん」の取材にご夫妻でおいでになりまし
た。大阪より車で奥さんが運転してこられましたが、かなりお疲れでした。肺
がんを漢方で治療しておられる頃で、痛みをこらえ苦しそうでした。その後終
末医療にうつられ楽になったとお聞きしておりました。
　十一月末、突然奥さんから電話で「みどうさん法座」を本光寺でしてもらえ
ないかとの依頼があり、喜んでお引き受けいたしました。お話しとミニコンサ
ート、雪が消えるまでは待てない、先生の体調と相談しながらの企画です。吹
雪にならねばいいがと心配しましたが、無事お着きになりました。車椅子でし
たが元気にお話しくださり、多くの人たちに活力をくださいました。
　ことばの作者は『他力の生活とは、努力できることを慶ぶ生活であったので
す。・・・人は自分にできることがあるかぎり、それを尽くさずにはおれない
のです。自力の生活は、自分の努力を誇る生活であるだけに、その努力が少し
も報われないときには、すぐ絶望し、挫折してしまうのですが・・』といわれ
ています
　九日は先生がご苦労された尾崎別院でのお話しの予定でした。しかし、朝吐
血されました。それでも行きたいと申されるので、奥さんが代わりにお話しを
し、先生は車中でお休みになっておりました。帰ろうとすると「本堂に連れて
行ってほしい」といわれるので、車椅子のままお連れすると、皆さんにご挨拶
され、そのまま息を引き取られたそうです。