おかげさま　　　　　　（智）　No.109（2002.7.20

＜＜すべての自力は　他力にささえられてあった＞＞　　鈴木　章子

▼「自力って何ですか？」「他力って何ですか？」よく聞かれます。
先日、こんな会話を耳にしました。
「種をまき、芽が出て、きれいな花が咲く。まわりの環境もあるけど、それは
自分の力で咲いたんだ。すばらしいよなあ、そう思うだろう？」
「一つ一つの花に個性があっていいよなあー。個性って大事だよな。」
　私はこの会話を聞いて首をかしげました。
たしかに、自分の力で咲きほこっているのでしょう。そして個性があってすば
らしいのでしょう。それは認めます。
　でも、そこに花を咲かせることができたのは、本当に自分の力なのでしょう
か？個性が輝くのは、本当に自分の力だけなのでしょうか？　花が咲くことが
できたのは私は自分の力ではないと思うのです。太陽の力、雨の力、風の力。
いろいろあります。それがなかったら、自分の力はありえないと思うのです。
　個性が光るのも、他の個性とお互いに照らしあって、輝いているのでしょう。
私たちは、ついつい今ここまでになれたのは、自分の力であると思いがちです。
口では、かっこうよく言うのですが、そう思ってしまう私がどこかにいるので
す。
　でも、考えてみると自分の力が発揮できるのは、ここまでに育てて下さった
皆さんの力があったから。その力をおかりする事ができたのは、他でもない如
来様の「必ず救うぞ、しっかり生きろよ」という願いの中で生かされてきた私
だからといただいているのです。
　少しでも前向きに、心の底から「おかげ様」と歩ませていただきましょう。