買い物に行って　　　　（智）　No.112（2003.7.20）

＜＜人間は　物を要求するが　仏は物をみる眼を与えようとされる＞＞　　足利　浄円

▼７月だというのに、低温注意報がでたりですね。皆さんいかがお過ごしです
か。　
　昨年とってもすてきなスーツを買いました。ちょっとお値段もよかったので
すが、私の歳ももう四十代後半。「えいっ！」と思いきって買ったのです。
　ところが、そのスーツ今年着てみたらきつくて入らないのです。ガーン・・。
すると、まわりの人が気になりだしました。「あの人より私のほうがまだ細い
かな？」「あーあ、あの位になるとスーツが入るのに。」自分が努力する事も
せずに、ないものねだりです。あさましい自分の姿に悲しくなってしまいまし
た。
　悲しいけれど、私達人間は、常に自分と誰かを比べ幸せを感じているように
思うのです。自分にないものをいつもほしがって・・。
そんな時、今月のこの言葉が私に「えりを正して考えてごらん」と声をかけて
くれました。
そうでした。ほしがってばかりいる私にも、阿弥陀様はいつも光をふりそそい
で下さっている。
「大切な事はそんなことではないでしょう、もっとしっかりと自分を見つめて
下さいよ『いのち』を見つめて下さいよ、私がいつも一緒にいますよ。自分の
柱をしっかりと・・・。」
　そう働きかけて下さっている阿弥陀様がいらっしゃったのです。
▼物をほしがる私たちです。阿弥陀様も正しく物をみる眼を与えようと願って
下さっている。すなおにお念仏をして、その眼をいただこうと思ったことでし
た。