得度をして　　　　　No.113（2003.9.10）

＜＜浄土への道は　浄土から　開かれたものである＞＞　　金子大栄

▼この夏唯宏が得度習礼を終え、お坊さんになって、帰って来ました。入所か
ら出てくるまでの十一日間連絡は取れません、途中で体調を崩すとそこで終わ
りです。果たして無事に出てこられるか、心配な毎日でした。でも意外に元気、
車の免許の卒業検定を受けて帰るから、と３日遅れで帰ってきました。
▼得度をして、これからは皆さんの手本になるんだなあとおもいこれは大変な
ことだと感じました。また自分の勉強不足をはっきりと自覚することにもなり
ました。祖父に見せたかったという思いもありましたが、大谷本廟へ黒衣に黄
袈裟でお参りしたときはうれしい思いがしました。とりあえずですが、僧侶と
しての第一歩を踏み出すことができてよかったです。　（唯）
▼電話が鳴るたびに「習礼所からかな？」と思ってすごした日々。私の得度の
とき、きっと父も母もこんな思いで待っていたんだろうなあ。得度式が終り、
祖父や父たちの後をしっかり見ていこうと思ったあの思い。息子のおかげで初
心に帰り、また親の思いをたっぷりと味わいました。そしてまた、亡くなった
父の笑顔を息子に重ねてみる事ができた夏でした。（智）
▼軍隊でたいへんな苦労をして帰ってきた父、建設会社を辞めて三十才で得度
した私、それぞれに迷いながら進んでいるようですが、みな阿弥陀さまのお手
回しでしょう。しっかり人間を勉強してきたか、それを役立てる日が来たぞと
励ましてくださったのでしょう。病気を抱えながらも勉強する息子はどんな勉
強をしてくるかを楽しみに、がんばっていきましょう。（玲）