スカウトとともに　　　（智）　No.114（2004.3.10）

＜＜仏光のもとに　われかしこしの慢心が砕かれ　卑屈の心も洗われる＞＞　花田正夫

▼本光寺には、すばらしい青少年活動が５４年間続いています。
　前住職であり、尊敬するスカウトの大先輩であり、私の父である「沖井道雄」
から、届けられたすばらしい宝物です。
　私自身、リーダーとなって３０年がたちます。いつのまにか「私はスカウト
のプロなのよ」と思ったりします。そんな時です。スカウトたちの純粋な視線
にドッキッとさせられます。その視線は、私の心の中を見透かしているようで
す。　見抜かれたような気持ちになったとき、「私は、なんて嫌な大人になっ
てしまったんだろう」と落ち込んでしまうのです。
　スカウト活動をつくられた、ベーデン・ポウエル卿は、「人間は、明確な信
仰心をもちなさい。こころのよりどころをもち、私たちは自分をしっかりと見
つめ、強く生きていくことが出来るのです。」と教えてくださっています。
　私たちの親鸞様は、「阿弥陀様は、いつも、私たちを見ていてくださる。決
して一人ではないからしっかり生きよう。」とおっしゃって下さっているので
す。
　私は、やっと気がついたのです。ベーデン・ポウエル卿と親鸞様は、同じ事
をおっしゃっている。しっかりと自分を見つめ、強く生きていける人間になる
ことを願っていらっしゃるのです。
　スカウトの前で気づかされる私の慢心。そして卑屈の心。すべて私のために
働きかけてくださっている仏さまのお心なのです。ありがたいことです。