お墓参り　　　（玲）　　No.115（2004.8.1）

＜＜生きている　という事は決して私の力ではないのだ＞＞　　高松信英

○足利義山和上のお墓は六角のお墓の正面に義山和上の法名、右横に瑞義和上
の法名が彫られています。親子でひとつのお墓です。
○義山和上が生前「わしが死んだらご本山は大谷に墓所を下さるだろうが、墓
を建てるのは弟子の浄財によるものじゃが、そうそう集まらぬ、そこで遺族や
門徒の負担では大変じゃ、わしの場合はとりわけ貧乏じゃし、門徒衆には迷惑
をかけられぬ」となげかれた。そこで息子の瑞義和上が「本を出版するために
長年貯めておられるお金をそれに当てればいいでしょう。本は私が何とかしま
す」と申したら「金に縁の無い息子の言うことは信用できん」と笑われたとい
う因縁のお墓です。その瑞義和上はやはり「お墓は新しく建てるな、おとっつ
あんの墓の横に名だけ彫れ」と遺言されたそうです。
○六月末の静岡の大雨で京都から帰られず、思いがけない時間をいただきまし
た。電車が止まっているとは思えない青空が広がっています。そこで大谷本廟
に出かけました。勧学谷にあるという足利義山和上のお墓にお参りです。
○新しい勧学さんのお墓、古い勧学さんのお墓と見て歩きましたが、見つかり
ません。ご一緒してくださった方が事務所に連絡してくださり、やっと見つか
りました。旧勧学谷を見下ろす斜面の途中にありました。
○いろんな人のお蔭でお参りができました、みんなのことを常に考えておられ
た勧学親子のお墓です。手を合わせながら、如来の願いの中に生かされている
ことをあらためて感じさせていただきました。