他力は一生懸命　　　　　（智）　　No.116（2004.9.10）

＜＜自力の念仏そのまんま　他力とわかる時がくる＞＞　　木村無相

○質問「自力と他力のちがいはなんですか？」
　自力は、人間自身がその力を積み上げていって、仏の悟りを得ようとするこ
と。他力は、欲深い私が仏になる道、如来さまのお力をおかりし、素直にお任
せする道のことです。
○　唯宏（若住職）が生まれてから、私たちはこんなことを考えていました。
「唯宏が高校生になったら、すぐ得度させよう。そうして、お盆参りやお彼岸
参りを手伝わせよう。」ただただ自分たちが楽をしようとして考えていたこと
です。
○　ところが、病を得、私たちが考えていたようには進みません。一時は大学
進学も諦めようかという気持ちでした。得度も身体の調子をみて、私たちの身
体が利かなくなるまでにとってくれればいいなあと言うおもいですごしていた
のです。
○　唯宏が健康なときに考えていたことは、まさに欲にまみれた私の自力の心
がはたらいたもの。「仏様におまかせ」と言うおもいで、毎日を一生懸命過ご
させていただいていたら、よい方向にむかっていった。「他力」とは、きっと
こういうものなんだ。
○一生懸命目的にむかって、歩むことはとっても重要なことです。でもそこに、
阿弥陀様の大きなお慈悲があることを忘れてはならないのです。いつも、自分
が自らお念仏を唱えていると思ってしまう私ですが、実はちがうのです。阿弥
陀様の大きなお慈悲が私に働き、「南無阿弥陀仏」と言わせて下さっている。
それは、「いつも一緒にいるぞ、安心してがんばれよ」と呼びかけてくださっ
ているお呼び声なんですね。ありがたいことです。