目線を変えてみる　　 (玲)　　No.125(2007.9.10)

＜＜如来は限りない　大悲をもって　迷える者を　哀れみたもう＞＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仏説無量寿経

　このところ我が家の犬は事務室の棚の上によくいます。表が見えて風通しが
よいからでしょう。涼しげに昼寝を楽しんでいます。
　ところがそこから私を見下ろすのです。下から見上げている犬はかわいいの
ですが、見下ろされると、仕事ばっかりしてと、犬が哀れんでいるように思え
てきます。
　立場が変わると同じ関係だと思っていても、感じ方はこうも違うものかと気
づきました。子供の目線で話せとよくいいますが、その目の高さまでしゃがん
でみないと分からない世界があります。
　小さい頃から病気の治療をしながら学校に通っていた子供がいました。高校
を卒業後、周囲の理解があって、パン屋で働くことになりました。病気で休み
がちでしたが、二十二歳で命の尽きるまで、働くことをいつも喜んでいました。
　病気を持つ子供たちの多くは、働く機会を持てないままにすごしています。
働きたいのに叶わない、あなただったらどうでしょう。立場を替えて考えてみ
ませんか。