(玲)��130

＜＜信は願より　生ずれば　念仏成仏　自然なり＞＞

「自然」は今普通シゼンと読みます。ところがここではジネンと読んでいます。実はこの読み方のほうが昔からの読み方で、シゼンは明治になってからの読み方なのです。英語のネイチャーの訳語として自然という字を当てたのだそうです。
今の自然は人工との対語で人の手の入らないというような意味がありますが、もともとの自然は人間も含んだありのままの様子を意味しています。
▼この地球は、神様が人間に与えたもので、人間の開発を待つものというキリスト教などの見方と、自然と共に生きていくという仏教との相違があるのでしょう。
インターネットや携帯電話が普及し、人が見えなくなって、偽装・詐欺さまざまな事件がおこり、人を信ずることが難しい世の中です。その中で作り手の顔が見える品がよく売れているそうです。そこには、作り手の自信と、信頼してほしいとの思いが感じられるからだと思います。
眼には見えませんが、阿弥陀さまの救わずにはおかないとの願いが私に届くとき、信ずる心が育ちます。そこで、お念仏申し、私がお浄土に往生する道が開いていきます。それは、私の計らいによることなく、阿弥陀さまから自然に導かれているのでしょう、ありがたいことですね。