(唯) ��134

＜＜弥陀の願力は　生死大海の　おおきなるふね　いかだなり＞＞

弥陀の本願とはなんでしょうか？本願というのは過去に菩薩や如来がたてた約束のことです。その中で、阿弥陀如来は四十八願をたてました。その中でも十八願は「衆生をすべてすくう」という願いです。この願いのことを「弥陀の本願」というのです。
さて、では生死大海とはなんでしょうか？仏教では輪廻転生ということを説いています。この輪廻の輪の中にいる間は、救われないのです。生死とは輪廻転生であって、無限の苦しみ、迷いの世界であるので、これを海に例えて大海といっているのです。
ところで、実際の海で周りに陸地もない海のど真ん中のようなところでぽつんと溺れていたとしましょう。なにがあれば助かるでしょうか？自分ひとりでジタバタしてもそのうち力尽きてしまうでしょう。陸地に向かって泳ぐというのも無理そうです。ひょっとしたら陸地に辿り着く人がいるかも知れませんが、普通は無理です。また、どちらに向かえばよいのかわからないのではなおさらです。
いかだや船があればそれに乗って助かることができますね。ましてやその船が陸地に向かって自動的に進んでくれるとしたらどうでしょう。こんないいことはありません。
弥陀の本願もまさにそれなのです。この苦しみ、迷いの世界で苦しんでいる私たちを乗せてお浄土という陸地へと運んでくれるものなのです。自動で進む船です。私たちができることは、陸地へ運んでくれるということを信じ、そのことに感謝することではないでしょうか。