本当の私はどれ？     (智) No. 99 1998/09/10

＜＜真実なるものが　見つかりました　という叫びこそ　念仏です＞＞平野修

▼「ねえ？沖井さんは、どれが本当の沖井さんなの？お坊さん？薬剤師さん？
それともスカウトのリーダー？お母さん？坊守さん？」と聞かれます。「ん−、
わかんない。どれも自分だけど。どれも精一杯やってるけど、どれも中途半端
な気もするし……。」
　私の私に対する問いかけがはじまります。「本当に私はどれが私なんだろう」
皆さんはそんなことありませんか？
　あれもやりたい、これもやりたい。私の煩悩です。欲です。それにともなっ
て、苦しみ、かなしみなども多くなってくるのです。そういうものに動かされ
ている私なのです。かなしい事だなあと思います。
　でも、そんな私でも、こうして生かしていただいているのです。ありがたい
ことだとつくづく思います。
　如来様がず−っとず−っと昔から、私の生まれる前から、私にそして私のま
わりの人々に働きかけて下さっている。私がお念仏−て働きかけるのではない
のです。如来様が「しっかり生きろよ、何も心配することはない、私がいるぞ」
と働きかけて下さっているのです。その働きかけが真実なのです。はやくそれ
に気がついてほしいのです。その働きに気づいた時、見せかけの私ではなく、
真実の私、木当の私が見えてくるのです。職業、立場を度外視した真の私が見
えてくるのだと思います。
　だから、「ありがとうございます」と喜びのお念仏をさせていただけるので
す。
　毎日を精一杯生かさしていただきましょう。